4/24/2026

厚生労働省が懸念する薬局・薬剤師の課題と改正の方向性

 

厚生労働省が懸念する薬局・薬剤師の課題と改正の方向性

~厚労省薬剤管理官清原氏インタビューおよび関連公式資料に基づく整理~


1. 背景と分析の前提

厚生労働省清原薬剤管理官のインタビュー記事等を中心に、厚労省医薬局・保険局の公式資料(「地域における薬局・薬剤師のあり方について」令和6年資料、「これまでの議論のまとめ」令和7年資料、薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会資料など)を補完してAI分析をしてみました。

清原技官は一貫して「患者のための薬局ビジョン」(平成27年策定)の実現が遅れていることを懸念しており、対物業務中心から対人業務中心への本格シフト、地域全体での機能分担・連携、患者目線の信頼確保を強く求めています。

 

2. 厚生労働省が懸念する主な課題(整理)

厚労省は、少子高齢化・在宅医療需要増・医療人材不足の進行を背景に、以下の課題を深刻に認識しています。

  1. 認定制度(健康サポート薬局・地域連携薬局・専門医療機関連携薬局)の認知度・活用低迷
    • 認知度は約8%程度と極めて低く、利用者にとって「メリットが不明確」。
    • 届出数も全体の薬局数(約6万件)に対して少数(健康サポート薬局約3,000件台、地域連携薬局約4,000件台)。
    • 名称使用以外のインセンティブがなく、薬局側のモチベーションも低い。
  2. 個別薬局による多機能対応の限界
    • 医薬品供給、在宅対応、夜間・休日対応、健康サポート、新興感染症・災害対応など、地域で求められるサービスが多岐にわたる。
    • 小規模薬局や門前薬局では単独対応が実質的に不可能。
    • 結果、在宅患者の24時間対応やへき地・離島の医薬品提供が脆弱。
  3. 対人業務シフトの遅れと業務効率化の遅滞
    • 令和元年薬機法改正で「調剤後の継続的な服薬指導・服薬状況把握」が義務化されたが、対物業務(調剤・監査等)の負担が依然大きく、対人業務に十分な時間が割けない。
    • ポリファーマシー防止や残薬解消、医師へのフィードバックが十分に機能していない。
  4. 地域・業態・機能の偏在
    • 都市部・門前型薬局に集中し、地方や在宅・夜間対応ができる薬局が不足。
    • 将来的には薬剤師の「供給過剰」が予想される一方で、病院薬剤師や地域偏在は依然として深刻。
  5. 医薬品供給・経営面の現実的負担
    • 高額薬剤の在庫負担増、長期収載品選定療養導入による現場負担、供給不安定時の対応難。
    • 患者が「どこに行けばいいかわからない」事態を防げていない。

 

3. 厚生労働省が目指す改正・推進の方向性

技官インタビューおよび検討会資料から、厚労省は「地域包括ケアシステムの深化」と「患者・生活者目線」を軸に、以下の方向で制度改正・運用改善を進めています。

  1. 薬局機能の明確化と制度見直し
    • 健康サポート薬局・認定薬局の役割・要件を整理・強化(共通機能は「かかりつけ機能の最低限確保」、地域全体で分担すべき機能は輪番・拠点化)。
    • 認定制度の質確保(実績要件の厳格化、研修義務化、届出制→認定制への移行検討)。
    • 患者が「自分に合った薬局」を選びやすい情報提供を強化(医療情報ネット等での検索機能向上)。
  2. 地域連携体制の構築(最も重視されている点)
    • 個々の薬局に最低限の機能(服薬把握・24時間対応・在宅基本対応)を求めつつ、夜間・休日・高度在宅・災害対応などは薬局間連携・輪番制・拠点薬局で確保。
    • 自治体・薬剤師会が中心となり、地域の実態把握→協議→体制構築を推進。
    • 医療機関・訪問看護・介護事業所との多職種連携を義務化・インセンティブ化。
  3. 対人業務の本格強化と対物業務の効率化
    • 対物業務の一部外部委託(薬機法改正方向)やICT活用(電子処方箋・全国医療情報プラットフォーム)を加速。
    • 2026年度診療報酬改定では「薬局・薬剤師の偏在是正」を明示的に観点に掲げ、門前・立地依存型への評価厳格化を予定。
    • かかりつけ機能(継続フォロー、薬剤レビュー、セルフケア支援)を報酬で強く誘導。
  4. 薬剤師の資質向上と需給適正化
    • 地域偏在解消策の強化(医療計画への明記検討)。
    • 卒後研修・専門性向上(在宅・がん・感染症対応)の体系化。
  5. 薬機法等制度改正との連動(2025年改正含む)
    • 要指導医薬品のオンライン販売拡大、指定濫用防止医薬品の販売規制強化。
    • 医薬品の適正使用推進とアクセス確保の両立。

 

4. まとめと推考

厚労省清原氏は、「すべての薬局が地域で信頼される医薬品の相談窓口になる」というビジョンを強く持っています。しかし、現状は「制度はあるが機能していない」「個別対応の限界」「地域格差」という課題が顕在化しており、「地域全体で連携する仕組みづくり」が最大の焦点です。

今後の改正は、報酬改定(2026年度)で偏在是正・対人業務誘導を、薬機法・認定制度の見直しで機能明確化・連携法制化を、DX・外部委託で業務効率化を同時に進める「総力戦」になると予想されます。

総括的にまとめると、薬局・薬剤師側には、単独完結型から「地域のハブ・ネットワークの一員」への意識転換が強く求めていると結論されます。

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