衆議院解散と2026年度診療報酬改定の最終局面のレポート
現在、2026年度改定は「短冊(具体的な改定項目案)」の提示を目前に控えた、最も緊密な点数配分の調整局面(いわゆる「1月〜2月の山場」)にあります。
1. 決定済みの「改定率」と予算案の全容
2025年12月24日の大臣折衝により、改定率の全体像が確定しています。
- 診療報酬本体:+3.09%(医療従事者の賃上げ対応分 +1.70%を含む)
- 薬価:▲0.87%
- 差し引き全体:+2.22%
今回の改定は、過去の「高齢化分におさめる」という枠組みを超え、インフレ対応と賃上げを主眼に置いた「積極投資型」の予算編成となっています。しかし、高市総理が解散表明で触れた「効率化・適正化」の要求も強く、▲0.15%の「適正化財源」が調剤報酬の引き下げによって捻出される構造です。
2. 中医協「議論の整理(案)」に見る薬局への直撃弾
2026年1月9日の中医協総会にて、改定の骨子となる「議論の整理案」が提示されました。内部資料および最新動静から、以下の3点が「選別」の鍵となります。
① 「小規模・立地依存」薬局の基本料1からの除外
- 内容: 月の処方箋枚数が600枚超かつ、特定医療機関への集中率が85%超の薬局を、現行の「調剤基本料1(45点)」から除外する案が有力視されています。
- 背景: いわゆる「都会の小規模門前薬局」が、地域支援体制加算などの対人実績が低いまま基本料1を維持している実態が適正化のターゲットとされました。
② 敷地内薬局(特別調剤基本料A)の「裏ワザ」封じ
- 内容: 敷地内薬局と同じ建物に診療所を誘致して減算を回避する手法に対し、除外規定の削除または適用厳格化が強く求められています。
- 推考: 日本薬剤師会が「速やかな見直し」を強く要望しており、これまでの「駆け込み開局」によるメリットは消滅する見込みです。
③ 評価軸の転換:同意書から「実績」へ
- かかりつけ薬剤師指導料: 同意書の取得が「ノルマ化」している現状を清原薬剤管理官が疑問視しており、「実際に何をしたか」という実績ベースの評価への移行が示唆されています。
- 後発品加算: 加算自体は維持されるものの、「供給不安の中での努力」を評価する名称や中身への変更が検討されています。
3. 社会保障改革と政治の影響:2026年春以降の展望
高市総理の提唱する「給付付き税額控除」や、日本維新の会との連携による「効率化」が、今回の改定後の「2026年度中」の制度設計に大きな影響を与えます。
- OTC類似薬の自己負担見直し: 外来薬剤全体を対象に、一律の追加負担を求める議論が早急に結論を得るべき事項として挙げられています。
- 医療DXの義務化: 電子処方箋やオンライン資格確認の活用実績を点数に直結させる「医療DX推進体制整備加算」のさらなる重点化が確実視されています。
おもいっきりの私見ですが・・・
今回の2026年1月解散は、決定済みの「賃上げ予算(本体+3.09%)」の配分を巡る最終交渉を加速させますが、同時に「立地依存の薬局」への容赦ないマイナス改定を正当化する政治的圧力も強まるのではないかと思います。
なので、予算は確保されたが、その分配は『地域のインフラとして機能する薬局』に集中される。1月末の短冊公開、2月の上申に向けて、自局が『適正化対象』に含まれていないか、即応体制を整える必要があります。
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