12/04/2025

調剤報酬改定2026年度の方向性分析20251203

調剤報酬改定の検討状況も架橋となってきました 

薬局について「中医協・調剤その2」の検討課題と、「秋の建議(令和8年度予算の編成等に関する建議)」の整合性が高く“改定ポイントになる項目”を体系的に整理し、あわせて
①
両者の整合性が高い(=改定確度が高い)項目
②
建議だけが指摘している項目
③
中医協だけが指摘している項目
を一覧化してまとめてみました。

この分析で、調剤報酬改定の改定の確実性の高い方向性を示してみます


■ 結論(最重要ポイント)

2026年調剤報酬改定の最大テーマは、「薬局の立地依存から機能評価へ」の本格的な転換。

中医協も建議も以下の方向性で強く一致しています:

都市部の門前・モール薬局の評価を下げ、地域連携・在宅・かかりつけなど“対人業務提供薬局”を上げる方向がほぼ確実。

特に整合性が高いのは以下5点:

  1. 門前薬局(都市部中心)の調剤基本料の適正化(=減算)
  2. 医療モール内薬局の調剤基本料の適正化
  3. 敷地内薬局の特別調剤基本料Aの厳格化(除外規定の削除含む)
  4. 地域医療を支える小規模・地方薬局の“例外的配慮”の明確化
  5. “立地×医療資源量”を評価指標に組み込む新たな体系への移行

これらは中医協資料と建議で完全に同じ方向性が示されており、改定時の中心テーマとなります。


■ 1. 「中医協:調剤その2」での薬局に関する主要課題

以下は検索資料に基づき整理したものです。

① 都市部門前薬局の調剤基本料の適正化(=引下げ)

都市部の病院前に薬局が乱立し、小規模でも高損益率となる点を問題視
【例】月600枚超+集中率85%超の薬局を基本料1から除外すべきとの意見

② 医療モール内薬局の調剤基本料適正化

医療機関を3つ以上入れ、集中率を意図的に70%以下にコントロールして基本料1を算定する問題が指摘

③ 敷地内薬局の特別調剤基本料Aの厳格化

「診療所を誘致してAを回避する“裏技”」が問題視され、除外規定の削除や対象拡大が議論

④ 地域(地方部)薬局への例外的配慮

医療資源が少ない地域は集中率が高くならざるを得ないため、評価上の配慮が必要

⑤ 調剤基本料体系の再構築(立地×医療資源量の概念追加)

「処方箋枚数×集中率」に加え、

  • “立地”(都市/地方)
  • “医療資源量”(医療機関や患者数)
    を評価軸に追加する方向

■ 2. 「秋の建議」で薬局に関係する主要課題(抽出)

秋の建議では薬局について次のような表現が目立ちます(※概要資料・参考資料より)。

① 適正化の徹底(特に立地依存型薬局)

  • 門前過剰集中の是正
  • 地域偏在の解消
  • 必要な機能を果たさない薬局への評価見直し

② 地域医療・在宅・かかりつけ機能の強化

  • 地域連携薬局・専門医療機関連携薬局の価値向上
  • 在宅薬学管理の提供体制強化
  • PHR等を活用した薬剤管理の高度化(医療DX)

③ デジタル基盤整備と効率化(=医療DX)

  • 電子的薬剤管理・PHR連携
  • BCP・災害時対応
  • 医薬品供給の安定化と物流DX(卸改革とも連動)

■ 3. 「中医協」と「秋の建議」の整合性が高い=改定のポイント(確実性が高い項目)

ここが最重要。


① 都市部門前薬局の評価適正化(=減算強化)

  • 中医協:都市部門前の乱立・高損益率を問題視
  • 建議 :立地依存型薬局の適正化を強調

➡ 改定で削減対象になる確度が極めて高い。


② 医療モール内薬局の調剤基本料適正化

  • 中医協:意図的な集中率調整による基本料1算定を問題視
  • 建議 :立地依存型薬局の“過剰利益”是正を明確化

➡ こちらも減算方向が濃厚。


③ 敷地内薬局の特別調剤基本料Aの厳格化

  • 中医協:例外規定(診療所併設)を削除すべきとの意見
  • 建議 :医療機関との経済的独立性確保・過度な囲い込み禁止

➡ Aの対象拡大、または例外削除の可能性が高い。


④ 地域偏在の解消と地方薬局の例外的配慮

  • 中医協:医療資源量が少ない地域は高集中率でも配慮
  • 建議 :地方の医療アクセス確保を最優先課題に

➡ 地方の小規模薬局は救済、評価維持・加算維持の方向。


⑤ 新たな調剤基本料体系(立地×機能×医療資源)への更新

  • 中医協:基本料の概念を刷新する提案
  • 建議 :立地依存の見直しと機能評価中心の制度設計を要請

➡ 2026年度改定の中心テーマとなる。


■ 4. 「建議だけ」で示されている薬局課題(=政策的論点)

中医協では細かく触れられていないが、建議で強調されるポイント:

① 薬剤自己負担(OTC類似薬)の見直し

  • 必要性に応じた患者負担の増減
  • 保険財政の抑制

※中医協では薬局報酬ではなく保険給付側の議論。
➡ 薬局の経営には間接的影響(売上の増減)があり得る。


② デジタル基盤・PHRと薬局の役割拡大

  • 薬剤管理の高度化
  • 地域医療連携の中核機能としての薬局

➡ 中医協の「調剤その2」ではDXは限定的な議論で、建議側が強く主張。


③ 医薬品供給問題への対応(卸改革との連動)

  • 在庫逼迫・供給不足対応
  • ロジDXと薬局の役割

➡ 建議側が強く主張するが、中医協での薬局議論には未反映。


■ 5. 「中医協だけ」が示す論点(建議には記載が薄い)

① 調剤基本料の非常に細かな評価(調剤基本料1・2・Aなど)

建議では点数体系の詳細には踏み込まない。


② 集中率の操作事例(単一建物患者の意図的まとめ)

建議では具体例としては記載なし。中医協の固有論点。


③ 調剤基本料算定のグループ経営実態(アイン減算問題など)

政策的建議では扱われない領域。


■ 6. 総括:2026年度調剤報酬改定に向けた「薬局影響マップ」

項目

都市部

地方

門前薬局

医療モール

敷地内薬局

地域連携薬局 / 在宅

基本料評価

↓(適正化)

↑(例外配慮)

↓強く下げる方向

↓下げる方向

A厳格化・拡大の可能性

↑ 機能評価を手厚く

加算(地域支援・在宅)

横ばい~要件厳格化

↑伸ばす方向

横ばい

横ばい

横ばい~減算

↑ 加算強化・要件整備

DX(PHR・電子薬剤管理)

投資圧力強

支援措置あり

中

中

中

↑ 大きく評価される方向


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