9/11/2026

薬局の「個人在宅」は本当に儲からないのか?―収益性を高める20の改善策とDX・業務設計の実践ポイント―

個人在宅が増えるほど忙しくなる薬局、利益が増える薬局

高齢化と在宅医療の進展により、薬局にとって個人在宅への対応は避けて通れないテーマになっています。

一方、薬局経営者や管理薬剤師からは、

「在宅患者は増えているのに利益が残らない」
「1件訪問すると半日近く仕事が止まってしまう」
「薬歴や報告書が終わらず残業になる」
「施設在宅の方が効率がよいのではないか」

といった声も聞かれます。

個人在宅は、患者宅ごとに移動し、生活環境、家族構成、服薬状況、介護サービス、緊急時対応なども一人ひとり異なります。そのため施設在宅のように業務をまとめにくく、「効率が悪い」と考えられがちです。

しかし、本当の問題は「個人在宅だから儲からない」ことではありません。

ポイントは、

個別性の高い業務を、どこまで標準化・集約化・DX化できるか

にあります。

多くのレポートや公文から、個人在宅の収益性は単純な患者数ではなく、エリア設計、移動、記録、連携、患者構成を最適化することによって決まると整理されています。



「訪問20分」が実際には「95分の仕事」になっていないか

まず確認したいのが、患者1人に実際に何分使っているかです。

例えば、

調剤・訪問準備20分
移動30分
訪問20分
薬歴・報告15分
医師・ケアマネ等との連携10分

とすると、訪問時間は20分でも、実際の業務時間は95分になります。

つまり、

訪問20分=20分の仕事

ではありません。添付資料でも同じように、個人在宅は「患者1人」ではなく「1患者分の業務ユニット」として考える必要性が示されています。

そこで在宅経営では、単純な「患者数」よりも、

薬剤師1時間当たりにどれだけの在宅業務を行い、どれだけ収益を生み出しているか

を見る必要があります。

仮に95分かかっていた業務を、移動、調剤、記録、連携の改善によって65分にできれば、同じ勤務時間でも受け入れ可能な在宅患者数は大きく変わります。



改善策① 「どこでも受ける在宅」をやめる

最初に取り組みたいのが訪問エリアです。

新規患者の依頼が来るたびに、

北へ30分
南へ25分
西へ20分

という状態になれば、患者が増えるほど移動時間も増えます。

そこで患者住所をGoogleマップなどにプロットして、

「薬局から10分圏」
「10~20分圏」
「20分以上」

に分類します。

さらに、

月曜は北方面
火曜は南方面
木曜は東方面

というように曜日ごとに訪問地域をまとめます。

見るべき指標は「何km離れているか」ではなく、

1時間で何件訪問できるか

です。

個人在宅でも地域内に患者を集めれば、施設在宅に近い「患者密度」を作ることができます。添付レポートでも重点エリアを決め、患者密度を高めることが重要とされています。



改善策② 在宅患者を「人数」ではなく「負荷」で分類する

個人在宅患者は全員同じではありません。

安定している患者と、

認知症
独居
多剤併用
麻薬使用
頻回処方変更
終末期

の患者では、必要な業務時間が大きく違います。

そこで患者を、例えば、

A:安定
B:標準
C:高支援

の3段階程度に分類します。

さらに、

一包化 +1
頻回処方変更 +2
麻薬 +2
独居・服薬管理困難 +1
夜間対応リスク +3
終末期 +3

といった独自の「在宅負荷スコア」を作ってもよいでしょう。

これによって、

「在宅患者50人」

という管理から、

「A20人、B20人、C10人」

という、実際の業務量が見える管理に変わります。

添付資料でも「安定・標準・高支援・終末期」などに患者を分類し、患者ミックスを見ることが提案されています。



改善策③ 薬剤師を「薬を作る仕事」から外へ出す

在宅患者を増やしたくても、薬剤師が一包化、ピッキング、監査、薬袋準備などに多くの時間を取られていれば訪問には出られません。

そこで考えたいのが、

▶ 自動分包機、一包化監査システム、ピッキング支援、バーコード監査、自動発注、調剤補助スタッフ

などの活用です。ただし、機械を買うこと自体が目的ではありません。

目的は、

薬剤師1人を薬局の中から外へ出せるか

です。

例えば機械化や分業によって毎日60分の薬剤師業務を削減できれば、その60分を個人在宅1件に使うことができます。

大規模な機械導入だけでなく、訪問バッグ準備、資材準備、書類整理などを事務スタッフへ移管するだけでも効果があります。



改善策④ 薬歴・報告書を「帰局後に書く」方式から変える

個人在宅では、

▶ 薬歴、医師への報告、ケアマネへの報告、訪問看護への情報提供

など、同じ内容を何度も入力している薬局が少なくありません。

ここはDXの効果が出やすい領域です。

例えば訪問先でタブレットを使い、

  • 服薬状況
  • 残薬
  • 副作用
  • フィジカルアセスメント(食事、睡眠、排泄、ADL、バイタル
  • 家族支援
  • 次回確認事項

をチェック形式で入力します。

文章で必要な部分だけ音声入力し、AIを利用して、

「薬歴用記録」
「医師向け報告書」
「ケアマネ向け要約」

の原案を作成します。(形式様式別のプロンプトテンプレートの活用がGood!)

最終確認は薬剤師が行いますが、毎回ゼロから文章を作る必要がなくなります。

添付資料でも、記録の目的は文章を短くすることではなく、「毎回ゼロから考えなくてもよい構造を作ること」と整理されています。



改善策⑤ 電話・FAXだけの多職種連携を見直す

個人在宅では、医師、訪問看護師、ケアマネジャー、家族など、多くの関係者との連携が必要です。

問題になるのは、

同じ説明を何度もする
相手が不在で折り返しになる
FAX送信後に電話確認する

といった時間です。

そこで、

緊急事項=電話
当日確認=チャット
定期報告=共有システム
記録=定型フォーマット

のように連絡手段を決めます。(これもAIパターン別テンプレ活用で個別文書の作成も)

連携を減らすのではありません。

同じ情報を何度も作らないこと(患者、連絡先別にAIテンプレ活用での作成がGood!)

が重要です。



改善策⑥ 「算定漏れ」を在宅DXの対象にする

在宅では、臨床業務をきちんと行っていても、請求までつながっていないケースがあります。

例えば、

  • 緊急訪問
  • 麻薬管理
  • 在宅関連加算
  • 医師との連携
  • 各種薬学管理上の評価

などです。

そこで患者ごとに、

「何を実施したか」

と、

「何をレセプト請求したか」

を月末に突合します。

薬剤師が覚えておく方式ではなく、

患者情報+実施行為 → 算定候補を自動表示

する仕組みが理想です。これは新しい患者を獲得しなくても利益を改善できる方法です。

ヒアリングでは意外と算定できていないのではないかというケースもあります。



改善策⑦ 紹介営業を「患者数」から「患者密度」に変える

在宅営業というと、ケアマネジャーや在宅医へ、

「患者さんをご紹介ください」

と営業するケースが多いでしょう。

しかし、10km離れた患者を紹介されれば、売上は増えても生産性は下がる可能性があります。

そこで営業の目標を、

患者数ではなく地域密度

に変えます。

既存患者の近くにいるケアマネ、訪問看護、在宅医との関係を強化し、

患者A ➡ 同じ地域の患者B ➡ 患者C ➡ 同じ訪問ルートへ集約

という形を作ります。

質の高い1件の在宅対応が紹介につながり、近隣患者が増えていく。この考え方は添付レポートでも具体例として示されています。



小さく始めるなら、まずこの5つ

多額のシステム投資をしなくても改善は可能です。

最初の90日であれば、

  1. 全在宅患者を地図上にプロットする
  2. 患者ごとの「準備・移動・訪問・記録・連携時間」を測る
  3. 患者をA・B・Cの負荷別に分類する
  4. 訪問記録・報告書をテンプレート化する
  5. 実施業務とレセプト請求を月1回突合する

だけでも、問題点がかなり見えてきます。

その上で、音声入力、AI、在宅管理システム、調剤機器などに投資すれば、「何となく便利そうだから導入するDX」ではなくなります。



個人在宅で最も重要なKPIは「患者数」ではない

個人在宅事業を見るとき、

在宅患者50人、100人

という数字だけを追いかけるのは危険です。

私が最も重要だと考える指標は、

患者1人当たり総業務時間

そして、

薬剤師1時間当たり在宅収益

です。

これに、

  • 平均移動時間
  • 1ルート当たり訪問件数
  • 記録・報告時間
  • 処方変更率
  • 緊急対応件数
  • 算定漏れ件数
  • 紹介元別患者数

などを加えれば、在宅事業の問題点がかなり明確になります。



個人在宅は「高コスト事業」ではなく「設計が必要な事業」

個人在宅には、残薬、認知機能、独居、老老介護、生活動線、家族負担など、処方箋だけでは見えない課題を発見できる大きな価値があります。

だからこそ、「採算が悪いからやらない」でも、「地域医療だから赤字でも頑張る」でもありません。

必要なのは、

患者価値を維持しながら、続けられる業務構造を作ること

です。

個人在宅の収益改善とは、単純に1件当たりの点数を上げることではありません。

  • 地域密度を高める。
  • 移動を減らす。
  • 調剤を機械化・分業する。
  • 記録を標準化・AI化する。
  • 多職種連携を効率化する。
  • 算定漏れを防ぐ。

この積み重ねによって、

在宅患者が増えるほど忙しくなる薬局から、在宅患者が増えるほど生産性が高まる薬局へ

変えていくことができます。

個人在宅は、「1件ずつ回る非効率な仕事」ではありません。

これからの地域薬局にとっては、患者との継続的な接点を作り、地域医療インフラとしての価値を高める重要な事業として捉え直す必要があるのではないでしょうか。




9/09/2026

2027年度「薬局機能高度化推進事業」の本当の狙いとは?

 2027年度「薬局機能高度化推進事業」の本当の狙いとは?

――厚労省・稲角薬事企画官の発言から考える、これからの薬局と薬剤師

 

「薬局の未来」は国が決めるのではなく、現場からつくる

2027年度(令和9年度)の厚生労働省予算概算要求で、薬局関係者から注目を集めているのが、「薬局機能高度化推進事業」です。

この事業では、薬局におけるAI導入効果の検証や、その成果の横展開などを進める方針が示されています。

しかし、今回この政策を考えるうえで、予算額以上に注目したい発言があります。

厚生労働省医薬局総務課の稲角嘉彦薬事企画官は、薬局・薬剤師の将来像について、

「将来に向けて新たな薬剤師像を示すのは一つのアイデア。国が将来像を示して引っ張るのではなく、まずは現場の皆さんの話を聞いてみたい」

という考えを示しています。

この言葉は、2027年度以降の薬局政策を理解するうえで非常に重要です。

今回の「薬局機能高度化推進事業」は、単にAIを薬局に導入するための政策ではありません。

むしろ、

「これからの薬局・薬剤師は何を担うべきなのか」

を、現場の声を聞きながら再検討していくための政策と捉えるべきではないでしょうか。

 


1.2027年度「薬局機能高度化推進事業」とは?

令和9年度の薬剤師・薬局関係予算概算要求では、「薬局機能高度化推進事業」3億5,100万円が要求されています。

事業の目的として掲げられているのは、

「国民への医薬品の適正な提供のための薬局機能の強化やAIの活用推進等」

です。

一見すると「AIを使って薬局業務を効率化する事業」に見えます。

しかし、今回の稲角薬事企画官のインタビューを重ね合わせると、もう少し大きな政策テーマが見えてきます。

それは、

「日本全国で、必要な人に必要な医薬品を届けるために、薬局と薬剤師の機能をどう再構築するか」

という問題です。

AIやオンライン技術は、そのための「手段」の一つなのです。

 



2.「患者のための薬局ビジョン」は変わるのか?

薬局関係者が気になるのが、2015年に策定された**「患者のための薬局ビジョン」**です。

策定から10年以上が経過した現在も、処方箋集中率の高い、いわゆる門前薬局が多く残っています。

このため、「患者のための薬局ビジョンは十分に実現していないのではないか」という指摘もあります。

これに対して稲角薬事企画官は、

「掲げた姿に向けて進んでおり、現在も途上にある」

との認識を示し、

「ビジョンを変えることは考えていない」

としています。

これは非常に重要な発言です。

つまり、今後の薬局政策は、

「患者のための薬局ビジョンをリセットする」

のではなく、

「ビジョンの基本方向を維持しながら、環境変化に合わせて実現方法を変えていく」

ということです。

 


3.2015年と2026年では、薬局を取り巻く環境が全く違う

「患者のための薬局ビジョン」が策定された2015年と現在では、薬局を取り巻く環境が大きく変わりました。

例えば、

  • 電子処方箋
  • 電子版お薬手帳
  • オンライン服薬指導
  • 医療DX
  • 生成AI
  • 調剤機器の高度化
  • 在宅医療の拡大
  • 医薬品供給不安
  • 薬剤師の地域偏在

などです。

稲角薬事企画官も、AI活用などを挙げながら、薬局・薬剤師を取り巻く環境が策定当時から大きく変化していると指摘しています。

したがって、これから問われるのは、

「2015年に描いた薬局像を、2026年の技術と社会環境でどう実現するのか」

という問題になります。

 


4.実は「都市部の薬局が多い」こと以上に重要な問題がある

今回のインタビューで特に注目したいのが、へき地・離島などにおける医薬品アクセスです。

日本では、都市部を中心に薬局が多数存在する一方で、

  • へき地
  • 離島
  • 過疎地域

などでは、医薬品を必要なときに入手すること自体が課題になる地域があります。

稲角薬事企画官は、

「都市部に薬局が多いこと以上に、へき地や離島の医療提供体制をしっかり整備しなければ、薬剤師は信頼されない」

との考えを示しています。

ここには、これからの薬局政策を考える重要な視点があります。

それは、

「薬局の数」ではなく「必要な場所に必要な薬局機能があるか」

という視点です。

 


5.薬局の「数」から「機能」へ

これまで薬局経営では、

処方箋枚数 × 調剤単価

という視点が非常に重要でした。

しかし、地域医療政策の視点から見ると、

どの地域に どんな薬局があり 何ができるのか

という「機能」の問題が重要になっています。

例えば、

都市部:多数の薬局が存在し、外来処方箋を中心に競争する。

地方都市:在宅医療や地域包括ケアを担う薬局が必要になる。

へき地・離島:そもそも医薬品アクセスそのものを確保する必要がある。

つまり、

全国一律の薬局モデルではなく、地域の医療需要に応じた薬局機能が必要になる

ということです。

 


6.「外来から在宅へ」という医療需要の変化

稲角薬事企画官は、今後の医療需要について、

「外来中心だった医療需要は在宅へシフトしていく」

との認識を示しています。

そして、

「それを支える医療職として薬剤師の役割はさらに重要になる」

としています。

これは薬局経営にとって非常に大きな意味があります。

今後の薬剤師に求められる仕事は、

薬局のカウンターの中だけで完結する仕事

ではなく、

患者の生活の場に出ていく仕事

へ広がる可能性があります。

例えば、

  • 在宅訪問
  • 服薬状況の確認
  • ポリファーマシー対策
  • 医師への情報提供
  • 多職種連携
  • 服薬フォロー
  • 家族への支援

などです。

 


7.だからこそAI・オンライン技術が重要になる

ここでAIやオンライン技術の意味が出てきます。

もし薬剤師不足が問題となる地域で、

「薬剤師がいないから医薬品を届けられない」

という状況が続けば、地域医療そのものが維持できません。

そこで、

オンライン技術 + AI + 調剤機器の自動化 + 薬局間連携

などを組み合わせることで、医薬品提供体制を維持できないかという発想が出てきます。

稲角薬事企画官も、薬を届けられていない地域について、

「様々なツールや制度を活用し、需要側の希望に柔軟に応えていくことが必要」

としています。

ここが今回の政策の核心の一つです。

 


8.AIは「薬剤師を減らすため」の技術ではない

AIについて誤解してはいけないのが、

AI=薬剤師の代替

ではないということです。

むしろ今後は、

AIが情報処理を担う ➡ 薬剤師が判断する ➡ 薬剤師が患者に介入する

という役割分担が重要になるでしょう。

例えば、

AIが得意なこと

  • 大量データの処理
  • 情報検索
  • 情報整理
  • リスク候補の抽出
  • 文書作成支援
  • パターン認識

薬剤師が担うこと

  • 臨床判断
  • 患者との対話
  • 生活背景の理解
  • 医師との協議
  • 治療への介入
  • 最終的な責任ある判断

という分担です。

つまり、

AIによって薬剤師を不要にするのではなく、AIによって薬剤師が薬剤師にしかできない仕事へ集中する

という方向が考えられます。

 


9.ただし、厚労省自身も「生成AIの具体像はまだ見えていない」

ここは非常に重要です。

今回のインタビューで稲角薬事企画官は、

「薬局での生成AI活用の具体像がまだ見えていない」

と率直に述べています。そのため、2027年度予算ではまず予算を要求し、実態を調査した上で考えていくという姿勢が示されています。

これは裏返せば、

「AIを使うこと自体が目的ではない」

ということです。

どこにAIを使えば、

  • 患者にメリットがあるのか
  • 薬剤師の負担が減るのか
  • 医療安全が高まるのか
  • 地域の医薬品アクセスが改善するのか

を検証していく段階なのです。

 


10.調剤の機械化・自動化にも新しい意味が出てくる

調剤の機械化・自動化やオンライン技術についても、これまでは主に、

「薬局業務の効率化」

あるいは、

「規制改革」

という文脈で語られることが多くありました。

しかし、今回の発言では、

へき地医療や医薬品提供の観点から必要になるケースがある

との考え方が示されています。

これは重要な政策転換の可能性があります。

つまり、

「薬局の業務を効率化するために機械化する」

だけではなく、

「医薬品を必要とする患者に届けるために機械化する」

という発想です。

 


11.「調剤業務の外部委託」も、この流れで考える

今後検討されている調剤業務の一部外部委託も、この文脈で考えると理解しやすくなります。

例えば、

地域薬局:患者対応 ➡ 服薬指導 ➡ 在宅支援 ➡ 医師・介護との連携

一方、

調剤拠点:調剤 ➡ 一包化 ➡ 機械化 ➡ AI・システムによる業務支援

という役割分担です。

もちろん、具体的な制度設計は今後の検討を待つ必要がありますが、

「すべての薬局がすべての業務を店舗内で完結させる必要があるのか」

という問題は、これからますます重要になるでしょう。

 


12.これからの薬局は「地域ごとに違っていい」

今回のインタビューから見えてくるのは、

全国の薬局を一つのモデルに統一する

という発想ではありません。

むしろ、

地域の医療需要に合わせて薬局機能を組み合わせる

という考え方です。

例えば、

都市型薬局:かかりつけ + 専門医療 + 健康相談

地域密着型薬局:在宅 + 多職種連携 + 服薬フォロー

へき地薬局:医薬品アクセス + オンライン技術 + 遠隔支援

調剤拠点:機械化 + 自動化 + 効率的な調剤

というような機能分化です。

 


13.薬局経営者が今考えるべき「薬局機能ポートフォリオ」

こうした政策の方向性を踏まえると、薬局経営者は自社の「機能」を棚卸しする必要があります。

例えば、

機能

現状

3年後

外来調剤

◎

○

かかりつけ

○

◎

在宅医療

△

◎

医療機関連携

△

◎

健康相談

△

○

OTC相談

△

○

電子処方箋

○

◎

AI活用

×

○

オンライン対応

△

◎

災害対応

△

◎

地域薬局連携

×

○

重要なのは、全部を「◎」にすることではありません。

自薬局が、

「地域の中で何を担うのか」

を明確にすることです。

 



14.薬剤師のキャリアも変わる

今回のインタビューでは、薬剤師の地域・業態偏在、病院薬剤師不足、創薬人材の育成などを背景に、**「薬剤師のキャリアパスに関する懇談会」**を立ち上げたことも紹介されています。

臨床、研究、薬局、病院など、さまざまな専門性について「こんな道がある」と示せるように整理していく考えです。

これは薬局経営にも関係します。

今後は薬剤師を、

「調剤をする人」

としてだけ考えるのではなく、

在宅医療に強い薬剤師
病院連携に強い薬剤師
専門疾患に強い薬剤師
地域活動に強い薬剤師
健康支援に強い薬剤師
DX
・AIに強い薬剤師

など、専門性を持った人材として育成することが重要になります。

 


15.「薬局機能高度化」の本当の意味

ここまで整理すると、2027年度「薬局機能高度化推進事業」の意味が少し違って見えてきます。

これは単なる、

「AI導入促進事業」

ではありません。

その本質は、

「これからの日本の医薬品提供体制を、どのような薬局・薬剤師で支えるのかを検証する事業」

と考えることができます。

そのための手段として、

AI、DX、オンライン技術、調剤の機械化・自動化、薬局間連携、外部委託

などが検討されていくのです。

 


16.2027年度から始まる「薬局再設計」

私は今回の政策を、

「薬局の再設計」

と捉えると分かりやすいと考えます。

これまでの薬局は、

処方箋を受け取る ➡ 調剤する ➡薬を渡す

という流れが中心でした。

これからは、

患者の健康課題を把握する ➡ 薬物療法を支援する ➡ 在宅で患者を支える

 ➡ 医師・看護師・介護職と連携する ➡ AI・DXを活用する

  ➡ 地域の薬局と機能分担する ➡ 必要な人に必要な医薬品を届ける

というモデルへ変化していく可能性があります。

 


17.薬局経営者へのメッセージ

今回の政策を「補助金情報」として見るだけでは、本質を見失います。

重要なのは、

「自分の薬局は、これから地域で何を担うのか?」

という問いです。

例えば、

「うちは在宅に強い」

「うちは健康相談に強い」

「うちは専門医療に強い」

「うちは地域の夜間対応を担う」

「うちは他薬局と連携して医薬品供給を支える」

というように、

薬局の存在価値を機能として明確にする

ことが必要です。

 


18.そして、政策を「待つ薬局」から「提案する薬局」へ

今回のインタビューで私が最も注目したのは、

「まずは現場の皆さんの話を聞いてみたい」

という姿勢です。

これは薬局経営者にとって大きな意味があります。

これからの制度を、

「厚労省が決めるもの」

として待つだけではなく、

「現場から、こういう薬局が必要だ」

と提案する余地があるということです。

例えば、

  • へき地での医薬品提供モデル
  • 在宅医療を支える薬局モデル
  • AIを活用した薬剤師業務支援
  • 薬局間の機能分担
  • 健康増進支援
  • 地域の医薬品供給ネットワーク

などについて、現場から具体的なモデルを示すことが重要になります。

 



まとめ――「未来の薬局」は、現場からつくられる

2027年度の「薬局機能高度化推進事業」を理解するうえで重要なのは、3億5,100万円という予算額だけではありません。

今回の厚労省・稲角薬事企画官の発言を重ね合わせると、これからの薬局政策の方向性が見えてきます。

それは、

「患者のための薬局ビジョン」の基本方向は維持する

➡ しかし、2015年当時とは環境が大きく変わった

 ➡ AI・オンライン技術など新しい手段を活用する

 ➡ 外来から在宅へ移る医療需要に対応する

 ➡ へき地・離島などの医薬品アクセスを確保する

 ➡ 薬局の機能を地域のニーズに合わせて再構築する

という流れです。

そして何より重要なのは、

「国が将来像を示して引っ張る」のではなく、「まず現場の声を聞く」

という姿勢です。

2027年度は、薬局にとって単なる「AI元年」ではありません。

むしろ、

「これからの薬局は何をする場所なのか」を、現場自身が考え、提案する年

になるのではないでしょうか。

薬局経営者にとって、これから重要なのは、

「何枚の処方箋を集められるか」

だけではありません。

「地域から必要とされる、どのような薬局機能を持っているか」

です。

そして、これからの薬局経営では、

「調剤薬局」から「地域医療を支える医療インフラ」へ。

この視点で自社の事業を再設計することが、重要になってくるでしょう。

 


参考資料

厚生労働省「令和9年度薬剤師・薬局関係予算概算要求の概要」

「稲角薬事企画官『現場から薬剤師像提案を』~へき地の医薬品提供課題~」(2026年9月7日)

※本記事は2026年9月時点の令和9年度予算概算要求および取材記事をもとに整理したものです。概算要求の内容は今後変更される可能性があります。

9/08/2026

医療DXに関するダッシュボードから読む、これからの薬局経営

 医療DXに関するダッシュボードから読む、これからの薬局経営

「導入する薬局」から「データを活用する薬局」へ

薬局経営を取り巻く環境は、大きく変わり始めています。

電子処方箋、マイナ保険証、オンライン資格確認、電子カルテ、PHR、電子お薬手帳、自治体の医療費助成に関するオンライン資格確認――。

これまで「医療DX」といえば、「システムを導入すること」と捉えられがちでした。

しかし、これからの薬局経営では、単にシステムを導入しているかどうかだけでは十分ではありません。

重要になるのは、

「導入したデジタルシステムを、薬局の業務改善や患者サービス、薬剤師の専門性向上にどう活用するか」

という視点です。

そこで注目したいのが、デジタル庁と厚生労働省が公開している「医療DXに関するダッシュボード」です。このダッシュボードは、医療DXの普及状況を確認するための資料ですが、薬局経営者の立場から見ると、単なる「国の進捗状況」ではありません。

むしろ、

「これから薬局経営で何が当たり前になっていくのか」

を読み取ることができる重要な経営情報です。

本記事では、この医療DXの進展を薬局経営の視点から読み解き、これから薬局が取り組むべき具体的なDX戦略について考えてみます。

 


1.薬局DXは「導入」から「活用」の段階へ

まず注目したいのが、電子処方箋です。

電子処方箋については、薬局での導入が急速に進み、現在では多くの薬局が利用できる環境になっています。

つまり、これからの薬局経営では、

「電子処方箋を導入しているか?」

だけを議論していても、経営上の差別化にはなりにくくなります。

これから重要になるのは、

「電子処方箋を使って、薬局の業務や患者へのサービスをどのように変えたか」

です。

例えば、

・重複投薬等チェックをどの程度活用しているか
・処方内容の確認にかかる時間が短縮されたか
・疑義照会の質が向上したか
・薬剤師が患者との服薬相談に使える時間が増えたか
・調剤後の情報を医療機関との連携に活用しているか

といった視点が重要になります。

「電子処方箋導入済み」だけでは不十分

薬局経営者が確認したいのは、

「導入した結果、何が変わったのか?」

です。

例えば、

「電子処方箋を導入しました」

ではなく、

「電子処方箋の活用によって、受付・処方確認・調剤・服薬指導のどの工程が効率化されたのか」

まで確認する必要があります。

 


2.電子処方箋の本当の価値は「情報がつながる」こと

電子処方箋の大きなメリットは、単なる紙の処方箋の電子化ではありません。

本質的な価値は、

「患者の薬に関する情報が、医療機関と薬局の間でつながること」

にあります。

患者が複数の医療機関を受診している場合でも、薬剤情報を確認しやすくなれば、重複投薬や併用薬の確認に役立ちます。

薬剤師にとっては、患者から聞き取った情報だけに頼るのではなく、デジタル化された情報を確認しながら服薬状況を評価できる可能性が広がります。

ここで重要なのが、

「アラートが出たか」ではなく「アラートを薬剤師がどう判断したか」

です。

例えば、

電子処方箋の情報
↓
重複・併用等のチェック
↓
薬剤師による確認
↓
患者への聞き取り
↓
必要に応じた疑義照会
↓
処方変更・服薬支援
↓
医療機関への情報提供

という流れです。

この一連のプロセスまで考えると、電子処方箋は単なる「調剤システム」ではなく、薬剤師の専門性を高めるための情報基盤になります。

 


3.薬局DXの効果は「コスト削減」だけで評価しない

薬局のDXを考えるとき、

「何人分の作業を削減できるか」

「何分短縮できるか」

という視点はもちろん重要です。

しかし、それだけでは不十分です。

薬局DXで本当に重要なのは、

「削減した時間を、患者のためにどう再配分するか」

です。

例えば、受付業務を10分短縮できたとします。

その10分を単純に「人件費削減」と考えるのではなく、

・患者への服薬フォロー
・在宅患者への対応
・医療機関への情報提供
・ポリファーマシーへの対応
・健康相談
・地域活動
・スタッフ教育

などに振り向けることができれば、DXは単なる効率化ではなく、薬局の付加価値向上につながります。

つまり、

DX=人を減らすための仕組み

ではなく、

DX=薬剤師が本来やるべき仕事に時間を戻す仕組み

と考えることが重要です。

 


4.患者側のデジタル化も急速に進んでいる

薬局DXを考えるうえで、もう一つ重要なのが「患者側のデジタル化」です。

マイナ保険証の利用、マイナポータル、スマートフォンによるマイナンバーカードの利用、電子お薬手帳、PHRなど、患者自身が医療情報をデジタルで扱う環境が整いつつあります。

ここで薬局経営者が考えるべきなのは、

「患者がデジタル化したとき、薬局はどのような接点を持つのか?」

という問題です。

これまでの薬局と患者の関係は、

「処方箋を持って来局する」

ことが中心でした。

しかし、今後は、

「来局していない時間も患者とつながる」

という発想が重要になります。

その中心的な役割を担う可能性があるのが、PHRです。

 


5.PHR・電子お薬手帳は「患者との継続的な接点」になる

PHRとは、Personal Health Recordの略で、個人が自分自身の健康・医療情報を管理・活用する考え方です。

マイナポータルでは、薬剤情報や処方・調剤に関する情報、健診情報、医療費情報などを確認できる仕組みが整備されています。

薬局にとって重要なのは、

「患者がどの電子お薬手帳を使っているか」

だけではありません。

むしろ、

「薬局が患者のデジタル情報と、どのようにつながるのか」

という視点が重要です。

例えば電子お薬手帳やPHRサービスを選ぶ際には、

・マイナポータルとの連携
・処方・調剤情報の取得
・他の医療機関・薬局との情報連携
・患者本人による同意管理
・データの持ち運びやすさ
・セキュリティ対策
・薬局のレセコンや電子薬歴との連携
・服薬フォローへの活用
・将来的なPHRサービスとの連携

などを確認する必要があります。

特定のアプリを導入すること自体が目的ではありません。

重要なのは、

「患者が日常的に使うデジタル接点を、薬局の服薬支援にどう活用するか」

です。

例えば、電子お薬手帳を単に「薬の記録」として終わらせるのではなく、

「服薬状況の確認」
「服薬フォロー」
「患者からの相談」
「受診・服薬情報の確認」
「健康情報の提供」

などにつなげられれば、薬局と患者の関係は大きく変わります。

 


6.マイナ保険証は「受付業務改革」の入口

マイナ保険証についても、薬局経営では単なる「受付方法の変更」と考えないことが重要です。

マイナ保険証とオンライン資格確認によって、患者の資格情報や医療情報をデジタルで確認できる環境が整備されています。

これにより、

・資格確認の効率化
・入力作業の削減
・保険資格の確認精度向上
・患者情報の確認
・医療情報を活用した服薬支援

などにつなげることができます。

特に重要なのは、

「受付担当者の作業をどこまで減らせるか」

です。

例えば、

「マイナ保険証を利用できます」

という段階から、

「マイナ保険証によって、受付業務の何工程が不要になったのか」

という段階へ進む必要があります。

 


7.PMH――自治体の医療費助成もデジタル化へ

薬局経営者にとって、今後注目しておきたいのが「PMH」です。

PMHとは、Public Medical Hubのことで、自治体の医療費助成や予防接種、母子保健などの情報をデジタルで連携するための仕組みです。

特に小児医療、ひとり親家庭、障害者医療など、自治体の公費負担制度を多く扱う薬局では、業務改善効果が期待できます。

従来、

患者から受給者証を提示してもらう
↓
内容を確認
↓
必要事項を入力
↓
資格を確認
↓
請求処理

といった作業が必要だったものが、オンライン化によって効率化される可能性があります。

PMHで期待できる効果

薬局側では、

・受付時間の短縮
・手入力作業の削減
・入力ミスの減少
・資格確認の効率化
・スタッフ教育負担の軽減
・患者の受付負担軽減

などが期待できます。

特に、

「公費患者が多い薬局ほど、PMHの業務改善効果を検証する価値がある」

と考えられます。

 


8.PMH導入でベンダーに必ず確認したいこと

PMHへの対応を検討するとき、薬局経営者がシステムベンダーに確認したいポイントがあります。

①いつから本番利用できるのか

「対応予定」ではなく、

「自薬局でいつから実際に使えるのか」

を確認します。

②レセコンとの連携範囲

PMHの情報が、

「確認するだけ」

なのか、

「レセコンに自動反映される」

のかでは、業務改善効果が大きく異なります。

③手入力が何工程減るのか

最も重要な質問の一つです。

「PMH導入によって、受付スタッフの作業を何工程、何分削減できますか?」

と聞いてみましょう。

④公費情報の更新方法

自治体ごとの制度変更やマスタ更新を、どのように処理するのか確認します。

⑤障害時の対応

システム障害や通信障害が発生した場合、

「従来の紙・手入力による運用に戻れるか」

というBCPの視点も必要です。

⑥操作ログ・権限管理

誰が、いつ、どの情報を確認・変更したのかを管理できる仕組みも重要です。

⑦将来の制度変更への対応

PMHは今後さらに対象制度・自治体が拡大する可能性があります。

そのため、

「今回の対応だけでなく、今後のPMH拡張にどう対応するのか」

も確認しておきたいポイントです。

 


9.薬局DXは「3方向」で考える

ここまでの内容を整理すると、これからの薬局DXは大きく3方向に分けて考えることができます。

医療機関との接続

電子処方箋

処方・調剤情報を医療機関と共有し、

「医療機関との連携」

を強化する。

↓

患者との接続

PHR・電子お薬手帳

患者自身の医療・健康情報とつながり、

「患者との継続的な関係」

をつくる。

↓

自治体との接続

PMH

医療費助成などの情報を自治体と連携し、

「地域行政との接続」

を強化する。

つまり、薬局はこれまで、

「処方箋を受け取って薬を渡す場所」

でした。

これからは、

「医療機関・患者・自治体をデジタルでつなぐ地域医療の拠点」

へと役割が変わっていく可能性があります。

 


10.薬局DXの成熟度を5段階で考える

薬局のDXへの取り組みを、次の5段階で考えると分かりやすくなります。

レベル1 IT導入

レセコン、電子薬歴、オンライン資格確認などを導入している。

レベル2 業務デジタル化

紙・手入力を減らし、受付・調剤業務を効率化している。

レベル3 データ活用

電子処方箋、薬剤情報、患者情報などを服薬支援に活用している。

レベル4 地域連携

医療機関、患者、自治体などとデジタルで情報連携している。

レベル5 データドリブン薬局

蓄積されたデータを分析し、

「どの患者に、どのような支援が必要なのか」

を予測・判断しながら薬局サービスを設計している。

今後、薬局間の差が大きくなるのは、**「どのシステムを導入しているか」ではなく、「データをどこまで経営・医療サービスに活用できているか」**ではないでしょうか。

 


11.薬局経営者が今すぐ始めたい「90日DX」

では、薬局経営者は何から始めればよいのでしょうか。

おすすめしたいのが「90日DX」です。

最初の30日

現状を数字で把握する

まず、

・電子処方箋の利用状況
・重複投薬等チェックの利用状況
・マイナ保険証利用状況
・受付業務の所要時間
・公費患者の受付時間
・電子お薬手帳の利用状況
・患者への服薬フォロー件数

などを確認します。

重要なのは、

「導入しているか」ではなく「何件使われているか」

です。


31~60日

業務フローを変える

次に、

「デジタル化によって何をやめられるか」

を考えます。

例えば、

・二重入力
・紙による確認
・同じ内容の聞き取り
・不要な転記
・情報確認のための電話

などです。

DXでは、

「新しい仕事を追加する」のではなく「古い仕事をやめる」

ことが非常に重要です。


61~90日

効果を測定する

最後に、

・受付時間
・薬剤師の患者対応時間
・疑義照会件数
・服薬フォロー件数
・患者満足度
・スタッフの負担感

などを導入前と比較します。

そして、

「DXによって薬局の経営と医療サービスがどう変わったのか」

を確認します。

 


12.これからの薬局経営で重要になるKPI

今後、薬局DXを経営に組み込むなら、単純な「システム利用率」だけではなく、次のようなKPIを設定することをおすすめします。

業務効率KPI

・受付1件あたりの所要時間
・手入力工程数
・電話確認件数
・紙書類の処理件数

医療サービスKPI

・服薬フォロー件数
・患者相談件数
・重複投薬等の確認件数
・疑義照会件数
・医療機関への情報提供件数

患者接点KPI

・電子お薬手帳利用患者数
・PHR利用患者数
・デジタルによる服薬フォロー件数
・オンラインによる相談件数

そして最も重要なのは、

「DXによって生まれた時間を、患者のために何分使えたか」

というKPIです。

 


まとめ――「DX対応薬局」から「DXを活用する薬局」へ

医療DXの進展は、単なるIT化ではありません。

電子処方箋、マイナ保険証、PHR、電子お薬手帳、PMHなどが普及することで、薬局を取り巻く情報の流れそのものが変わろうとしています。

これまでの薬局経営では、

「処方箋を何枚受け付けたか」

「何店舗展開しているか」

「どれだけ効率よく調剤できるか」

といった指標が重視されてきました。

しかし、これからは、

「どれだけ患者情報を活用できるか」

「どれだけ医療機関と連携できるか」

「どれだけ薬剤師の専門性を発揮できるか」

という視点が、ますます重要になるでしょう。

薬局DXの本当の目的は、システムを導入することではありません。

デジタル化によって生まれた時間と情報を、患者のために再投資することです。

これからの薬局経営で求められるのは、

「DXに対応している薬局」から、「DXを使って医療サービスそのものを変える薬局」への転換

ではないでしょうか。

電子処方箋は「医療機関との接続」。

PHR・電子お薬手帳は「患者との接続」。

PMHは「自治体との接続」。

この3つの接続を意識することで、薬局は単なる「調剤の場」から、地域の医療情報をつなぐ「地域医療DXの拠点」へ進化することができます。

薬局経営者にとって、今こそ「何を導入するか」ではなく、

「導入したDXを、経営と患者サービスにどう活かすのか」

を考える時期に来ています。

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